令和７年 ４月法話 かならず煩悩のこほりとけ 彼岸会法話より
今年地元は、雪が多かったですが、みなさんのところはいかがでしたか。ここで、なぞなぞです。
雪や氷が解けたら何になりますか？普通は、水ですよね。答えは、春になるんですね。春の暖か
な日差しで多かった雪や厚い氷を溶かしてしまうのです。この情景を見て、私は、イソップ童話
の「北風と太陽」の話しを思い出しました。北風と太陽が力くらべをして、北風は、風をつよく
ふきつければふきつけるほど 旅人は かたくなにマントをしっかりとおさえてぬがすことが
できません。今度は 太陽が あたたかい ひかりで たび人を あたためはじめました。
「ああ、あったかいなあ。気持ちが良い」といって 旅人は、心まで解放的になり服をぬいで
しまいました。結局、太陽が勝ち、北風は「うーん、まいった。こうさん」と言ったという
お話です。この太陽の暖かな光によってもうひとつ見かける光景があります。解けた雪や氷の下
に今まで見えなかった物が見えてくるんですね。それが何と汚いゴミです。チラシ、空き缶、
たばこの燃えカス、しまいには、犬のウンチまで見えてきました。今まで多い雪や厚い氷の下で
カモフラージュされ私自身の目では、見えなかった気づかなかった汚いゴミが太陽の暖かな光で
見えて来たんですね。宗祖親鸞聖人は、曇鸞大師を讃えるご和讃に
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無碍光の利益より 威徳広大の信をえて
かならず煩悩のこほりとけ すなわち菩提のみづとなる
(高僧和讃 曇鸞大師 浄土真宗聖典註釈版５８５ページ)
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阿弥陀仏の無碍光のおはたらきにより 広大ですぐれた功徳をそなえた信心を得ることでかならず
煩悩の氷がとけてさとりの水となる。(現代語版)
とありますように阿弥陀さまにおはたらきにより、私の煩悩のゴミが見えてくるのです。この煩悩
のゴミは、今生つまり生まれてから臨終に至るまで無くならないどころか益々盛んな煩悩のゴミを持
つ私のありままの姿を阿弥陀さまは、すでに見ぬいて、お慈悲のお心で、だからこそ救わずにおれな
い悟りの彼岸浄土の世界に必ず連れて行くぞと今ここで私に はたらきづめにはたらいてくださる
ご恩に朋に感謝のお念仏を申しながら日暮らし致しましょう。