令和５年 ３月
童話から気づかされた話
先日、ある研修会があり、ご講師の先生が、こんな話をされていました。先生のご兄弟の方なのですが、
みなさんご存知の童話から気づかされた話を聞きました。「うらしまたろう」「ももたろう」そして「うさぎと
かめ」のその後どうなったのかのお話です。例えば「うさぎとかめ」のお話では、どちらが早いか競争する
のですが、あまりのかめさんの遅さにうさぎさんが途中でいねむりをして、気がついたらかめさんが、その
すきにゴールしたという話です。しかしお話は、その後どうなったのかと続くのです。ある意味、童話の
その後を通じてこの私に気づかされたのであります。そのゴールしたあと、もしかしたら、かめは、うさぎに
勝って、〈自分はうさぎさんより速いんだ〉と有頂天、傲慢になり、うさぎは、逆に〈なんて僕は愚かな
ことをしてしまったんだろうと苦悩して自分自身を省みたのかもしれませんね〉という具合です。この話
を聞いた時、この話は、まさに煩悩を益々さかんにして苦悩するこの私そのものではないでしょうか。
ご開山親鸞聖人のご和讃の中に
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如来の作願（さがん）をたづぬれば 苦悩の有情（うじょう）を捨てずして
回向（えこう）を首（しゅ＝第１）としたまひて 大悲心をば成就せり
(正像末和讃 浄土真宗聖典註釈版６０６ページ)
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とありますように阿弥陀さまの願いは、 煩悩の闇のなかでを苦悩するこの「私」を見捨てておけない、
放っておけない、救わずにおれないと 阿弥陀さまの方から立ち上がって 慈悲のお心で今ここで私に
はたらいて下さっているのです。そのご恩に朋に感謝のお念仏を申させていただきながら この人生を
強く明るく生き抜かせていただきましょう。合掌