令和４年 ７月
真っ暗な時は、私の汚れが見えない
今、あなたは、雨の降る夜道を歩いていますと考えて下さい。街灯は無く、真っ暗です。ふと、
そのとき、何かにつまずいて、転んでしまいました。服に泥がついたかもしれません。でも、そ
の時、泥の汚れが気になりますか？気になるはずはありません。泥の汚れが見えないのです
から。汚れが見えるのは、家に帰って光に照らされたときに「あ〜こんなに汚れていたんだ」と
気づかされるのです。知恵が無い真っ暗な時は、私の汚れが見えないし、気になりません。
照らす光が無ければ、どんなに汚れていても気にしません。仏法は、この私を照らす光です。
私を映す鏡です。仏法に出遇わなければ、どんな悪い事をしていても罪悪と感じません。
しかし聴聞を重ねて仏法の光に照らされると自分の煩悩の汚れが見えてきます。阿弥陀さま
の光に照らされるとこの私は罪悪深重、煩悩熾盛のあさましい姿が見えてくるのです。ご開山
親鸞聖人のご和讃に
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悪性(あくしょう)さらにやめがたし こころは蛇蝎(じゃかつ)のごとくなり
(註釈版聖典６１７ページ）
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阿弥陀さまの光に照らされたこの私の悪い本性は、変わらないのであり、それどころか、あた
かも毒をもった蛇やさそりのようであるのが、ありのままの私の姿なのですと言われました。
『さるべき業縁のもよおさば、いかなるふるまいもすべし』と条件さえととのえば、いつでもどの
ような悪行をするかもわからない私の姿を阿弥陀さまは、すでに見ぬいて、だからこそ見捨て
ずにはおけない救わずにおれないと大悲の心で今ここで私一人がために働きかけくださって
いるご恩に朋に報恩感謝のお念仏を申させて頂きながら日暮しをさせていただきましょう。