令和４年 10月
私にとって最も大切なものは何か。 （秋季彼岸会抜粋）
ある本にこういう話が書いてありました。「私」にとって最も大切なものは何か。それは、時と場所によって
常に変わってくるんです。たとえば、ここにコップ１杯の水と何十カラットのダイヤモンドがあったとします。
どちらが大切でしょうか？ふつうでしたらダイヤモンドの宝石が大切でしょうね。でもみなさんが、砂漠の
ど真ん中で、何日も食べないで、のどがからからに乾いて、もう１歩も歩くこともできない苦悩の状態にな
ったとしたら、私は、どちらを選びますか？「あーたすかった」とやはり水をとるのではないでしょうか。苦今、
法蔵菩薩の説こうとする、常に変わらない大切なものは、地位、名誉、金銭ではなくて、むしろそれらの
執着をはなれ、本物の教えに出遇い苦悩を受け止めて真の人間となるべき道を求めることであるのです。
ご開山親鸞聖人のご和讃に
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如来の作願（さがん）をたづぬれば 苦悩の有情(うじょう）を捨てずして
回向(えこう）を首(しゅ＝第１）としたまひて 大悲心をば成就せり
(浄土真宗聖典註釈版 ６０６ページ)
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《阿弥陀さまのご本願に出あえば むなしく人生を過ぎるひとはいません。六字の名号（みょうごう）の功徳が
その身にみちみちて、煩悩の濁り水をも同化して差別がなくなるのです》 とおっしゃっていますようにあれ
してこれして忙しい世の中で食て寝て「自分自身」を見失い、むなしくさ迷い続けている「この私」だから
こそ慈悲のお心で、救わずにおれない、見捨てておけない、ご本願を信じておくれよと阿弥陀さまのほう
から今ここで私に働いてくださっているのです。何があろうとも揺らぐことのない確かな拠り処の阿弥陀さま
のご本願を信じてその御恩に朋に感謝のお念仏を申させていただ