最近は、コロナ渦ということもあり、門徒の家族葬、身内葬が多くなりましたが、
それでも葬儀、一周忌や三回忌等の法事にお参りに行きますと親戚、友人、
有縁の方々等多くの方が集まって、お参りのご縁に出遇うことがよくあります。
その時、私は、よく学校の理科の授業で磁石のことを思い出します。磁石を
鉄のくぎに近づけると吸い寄せられるように鉄くぎが動き磁石にくっつくのです。
まっすぐなくぎ曲がったくぎ長いくぎ短いくぎと様々でありますが、わけへだ
てなくくっつきます。それらのくぎは、みずからの力で動くことはありません。
動かないはずのくぎが磁石に向かって動くのです。そればかりではありません。
磁石にくっついたくぎはそのまんまで磁石になり他のくぎを次から次とくっつけ
る働きをするのです。ご開山親鸞聖人は、阿弥陀さまのお働きをこの磁石に
例えて
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悲願は…なお磁石のごとし、本願の因を吸ふがゆゑに
（教行信証行巻 一乗海釈 二十八喩浄土真宗聖典註釈版２０１ページ）
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また阿弥陀さまのはたらきは、磁石のごとしです。磁石が鉄くぎを吸いつける
ように阿弥陀さまは煩悩にまみれたこの私を引き寄せるのです。この鉄のくぎ
が、私であります。磁石のはたらきで鉄くぎがそのまんまで磁石になるように
阿弥陀さまのはたらきによってこの凡夫の私が、凡夫のままで、仏となる身
にさせていただくのです。阿弥陀さまのひとりばたらきで、煩悩具足の私を
すでに見ぬいてだからこそ見捨てずにおけない救わずにおれないとお慈悲の
お心で今ここで私に はたらいてくださっているのです。そのご恩に朋に
感謝のお念仏を申しながら日暮らしをいたしましょう。