新しい年を迎えました。今年もどうぞよろしくお願い致します。さて、昨年(令和元年)
の流行語大賞に選ばれたのは、ラグビーワールドカップで活躍された日本選手の
「ワンチーム」という言葉でした。ワンチームと言っても日本選手の約半数が海外生
まれ、様々な環境背景が異なる選手達が、集まって４年をかけて非常にいろいろな
ご苦労をかけて、ひとつになるワンチームになったのです。浄土真宗では、阿弥陀
さまが法蔵菩薩の時、ご苦労されて五劫というとてつもなく長い時間をかけて、私
たち凡夫を救うために考えに考えぬかれて誓願をたてられ完成されて阿弥陀さま
になられたのです。その教えというのは、「正信偈」に
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凡聖逆謗斉廻入 如衆水入海一味(正信偈)
凡聖・逆謗斉しく廻入すれば、衆水海に入りて一味なるがごとし
(浄土真宗聖典註釈版２０３ページ)
みな本願海に入れば、どの川の水も海に入ると
一つの味になるように等しく救われる
(教行証文類現代語版１４５ページ)
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と書かれていますように清らかな川の水も、濁った川の水も、ひとたび海に入れば、一つの味
になるのです。どのような水が流れ込んでも、潮の味は、変わりません。まさに一つになるの
です。そのように、凡夫でも、聖者でも、たとえ五逆の罪をつくり仏法をそしるものであっても、
阿弥陀さまのお慈悲に遇うならば、わけへだてなく同じひとつの安らぎを得て救われるという
ように親鸞聖人は、仰っています。濁った汚れた水というのは、この私のことであります。その
ことを阿弥陀さまは、すでに見抜いて、だからこそ救わずにおれないと大悲のお心で今ここに
私一人のためにはたらいてくださっているご恩に感謝のお念仏を朋に申させて頂きながら
今年も日暮らし致しましょう。