NHKの元アナウンサー桜井洋子さんのインタビュー記事がある雑誌に載っていました。桜井さんの
実家は親鸞聖人とゆかりがある新潟県直江津です。お東のお寺の役員をしている熱心なご門徒さん
です。桜井さんは、早くに姉が亡くなり、そして３才下の弟が、桜井さんが小学校に入る前に亡くなら
れました。桜井さんは「その月命日にお寺さんがお参りに来たので、お茶を出して接待するのが私の
役目でした。姉、弟の大切な存在は、目の前からいなくなった喪失感がありましたが、小さい頃から
お寺さんよりお話を聞く中でどこかでつながっていると思えたのは、浄土真宗の教えに出遇っていた
からだと思います」と言われました。桜井さんは、大学の卒業論文に親鸞聖人の「自然法爾」（じねん
ほうに）を取り上げました。ご開山親鸞聖人は、
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「自然」といふは、もとよりしからしむるといふことばなり。
(正像末和讃 自然法爾章 浄土真宗聖典註釈版６２１ページ)
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と言われています。「自然」とは阿弥陀さまのはたらきのことです。それは「もとよりしからしむ（私の
意識を超えて、もともと、そう仕向けられている）」ということなのです。桜井さんが、その後、「アナ
ウンサー時代の時にはギクシャクした難しい人間関係トラブルあるいは、ハンディキャップある方
の理不尽な差別についても今まで自分の思い（煩悩）で、何度も もがき苦しみ悩んでいた私で
したが親鸞聖人の 「自然法爾」の言葉に導かれ、私のはからいではなかった、こだわりから解放
され、あるがままの自然体で受け止め活動できる原点にあったのがこの教え」ということでした。
親鸞聖人の言葉を通じて阿弥陀さまのおはたらきに出遇ったのです。煩悩具足のあるがままの
私を阿弥陀さまは、すでに見抜いてだからこそ救わずにおれないと慈悲のお心で今ここで私一人
がためにはたらいてくださっているのです。そのご恩に気づかされたとき、おかげさま、ありがとう
ございますと朋にお念仏申しながら日暮らしいたしましょう。