今年９月に最大震度７の北海道胆振東部地震が起きました。被災地は元より地震と余震の揺れが続いているのに
北海道中が真夜中、テレビも明かりも信号もパチンと消えた長時間停電のブラックアウトの恐怖。冬、暴風雪により
起こるホワイトアウトが「白い闇」ならば、ブラックアウトは、まさに「黒い闇、黒闇」であります。何も見えない外の
ブラックアウトも怖いのですが、もっと恐ろしいのは、私自身の煩悩のブラックアウト。「闇にありて闇を知らず 光に
ありて闇を知る」という言葉があります。これは、闇にいながら闇と知らず、逆に明るいとさえ思いこんでいる凡夫の私
なのです。凡夫ということで、ご開山親鸞聖人は、
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凡夫というは、無明煩悩われらが身にみちみちて、欲もおおく、いかり、はらだち、そねみ、
ねたむこころおおくひまなくして、臨終の一念にいたるまで、とどまらず、きえず、たえず
(一念多念文意 浄土真宗聖典註釈版 ６９３ページ )
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と言われました。闇にいながら闇と知らなかった私が阿弥陀さまの光に遇うことによって、あさましい煩悩をかかえ
ながら臨終の一念にいたるまで苦しみ悩み続ける私自身の深い深いブラックアウトという暗闇の愚かさに気づかさ
れるのです。日常おつとめする正信偈のご和讃で、ご存知だと思いますが、
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仏光照耀最大一 光炎王仏となづけたり
三塗の黒闇ひらくなり 大応供を帰命せよ
(浄土和讃 浄土真宗聖典註釈版 ５５８ページ )
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とあります。仏光照耀最大一、光炎王仏、そして大応供というのは、阿弥陀さまの別名です。地獄、餓鬼、畜生の三層
にも厚く塗り重ねた黒闇に もはやがんじがらめになっている私を見抜いてだからこそ慈悲のお心で救わずにおれない
とこの私のブラックアウトを打ち破る阿弥陀さまの光がいつでもどこでも今ここにでも私にはたらいてくださっているの
です。そのご恩に朋に感謝のお念仏を申しながら日暮らしをいたしましょう。