今年(平成２９年)１月アメリカトランプ大統領の就任式では、１９世紀
当時リンカーン大統領が使った聖書を使って宣誓されました。当時その
リンカーン大統領にこういう話が、あります。リンカーン大統領は、
大統領として登庁される途中、豚が溝に落ちて、もがき苦しんでいたの
を見て、車を止めさせて、泥まみれになっている豚を自ら救い上げられ
たのです。そのことが、マスコミに出て、国民はリンカーン大統領を
ほめたたえました。その時、リンカーンの言った言葉は｢私は、豚を救っ
たのではない。自分を救ったのだ。苦しんでいる豚を見ては、かわいそ
うで見るにしのびなかった。その自分の苦しみを救ったのだ」と。一頭
の豚をも見捨てることが出来なかった心もちが、国民と一つになり、
その国民の苦しみを我が苦しみとして背負われたのがリンカーン大統領
でありました。この話を聞いた時に、ご開山親鸞聖人の ご和讃を思い
出しました
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如来の作願(さがん）をたづぬれば 苦悩の有情(うじょう）を捨てずして
回向(えこう）を首(しゅ＝第１）としたまひて 大悲心をば成就せり
(正像末和讃 浄土真宗聖典註釈版 ６０６ページ)
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とありますように阿弥陀さまの願いは、 あさましい自己中心の煩悩を
かかえて苦しみ悩むこの｢私一人」を見捨てておけない、放っておけない、
救わずにおれないことを第一に 阿弥陀さまの方から立ち上がってくださり
慈悲のお心で阿弥陀さまのご本願が、南無阿弥陀仏の六字の名号となって、
今ここで私に至り届き、はたらいて下さっているのです。そのご恩に朋に
感謝の お念仏を申させていただきながら 日暮らしをさせていただきま
しょう。