平成２９年 ２月
みなさん、かげふみごっこで遊んだことがありますか。みなさんご存知の通り、
オニが、他の人のかげをふんで、ふまれた人が次のオニになるというゲームで
す。以前に、幼稚園で、かげふみごっこをしてオニとなり、追いかけたら、
ある子どもが物のかげに入り、かげがふめなくなったということがありました。
太陽の光の届かない暗いところ、暗闇の中では、かげができませんし、たとえ
できていたとしてもかげを見ることができません。光に照らされているからこ
そ、かげができるのです。ご開山親鸞聖人は、ご自身を｢煩悩具足の凡夫」と
か｢罪悪深重」と言われています。ふつうに聞きますと、これは、暗さを感じ
ます。しかし、自分自身を見つめられた親鸞聖人は、暗いかげもなく、逆に光
輝く人生を生きられているのです。それは、｢罪悪深重」の悪人とありのまま
の姿に気づかされたのは、阿弥陀さまの光の中であったという真実に気づいた
からであります。阿弥陀さまのお慈悲の光に照らされているからこそ、自身の
煩悩のかげがはっきりと見えてきた知らされたのです。だからこそ｢かげ」に
｢お」と｢さま」をつけて、｢おかげさま」なのです。親鸞聖人のご和讃に｢｣
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□ 煩悩にまなこさへられて 摂取の光明みざれども □
□ 大悲ものうきことなくて つねにわが身をてらすなり □
□ (高僧和讃 聖典註釈版 ５９５ページ） □
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｢私」は煩悩に眼(まなこ）をおおわれて、｢私」のほうから阿弥陀さまの摂取の
光明を見ることはできないけれども、阿弥陀さまは、大悲のお心で、倦(う）み
つかれることなく、常に｢この私」を照らしてくださっているのです。｢この私」
の無明の暗闇こそ阿弥陀さまの摂取の光明が働く届く よすがとなるのです。
その阿弥陀さまが今ここで私一人がためにお働きくださっていることに朋に｢お
かげさま」でした、ありがとうございますとただただ御恩報謝のお念仏を申さ
せていただきながら日暮らしいたしましょう。