平成２８年 ９月
皆みなさん、｢夕焼け小焼け」の歌を知っていますか？
(夕焼け小焼けで日が暮れて 山のお寺の鐘が鳴る お手々つないで
みな帰ろ カラスといっしょに帰りましょ)
というお馴染みの歌詞ですね。まさに夕陽が沈む中を 山のお寺の鐘の音を聞きながら、
手をつないで みんなで帰るという情景は、心がやすらかになります。ただ、最後に
｢カラスといっしょに帰りましょ」という歌詞があります。カラスというと、犬と散歩
をしているとカラスが威嚇するような鳴き声ですぐ近くまできたことがありましたし、
カラスに襲われたという人もよく聞きます。カラスは、黒くて、悪い鳥というイメージ
があるので、とても｢カラスといっしょに帰りましょ｣ということはできません。
しかし阿弥陀さまのお慈悲の光は、男も女も年寄りも若者も賢いものも愚かなものも
生きとし生けるものすべて分けへだてなく照らしてくださっているのであります。
このカラスは、単なる生き物のカラスということだけでなくて、私の無明の闇の奥底に
ひそむ、真っ黒の煩悩カラスでもあるのです。親鸞聖人は
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凡夫というは無明煩悩我らが身にみちみちて欲も多くいかり
腹立ちそねみねたむ心多くひまなくして 臨終の一念にいたるまで
とどまらず きえずたえず・・（一念多念文意、註釈版６９３ページ） ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
と言われました。臨終の一念にいたるまで煩悩カラスを断ち切るどころではなくて、
むしろこの煩悩カラスをおめあてによすがとして、この身いっぱいにあさましい煩悩
カラスをかかえて苦悩している「私」を阿弥陀さまは、お目当てに、だからこそ見捨て
ておけない救わずにおれないとお慈悲のお心で、今ここで私に働き詰めに働いてくださ
っているのです。そのご恩に朋に感謝のお念仏を申させて頂きながら、日暮らしいたし
ましょう。