平成２８年 ８月
皆さんご存知の永六輔（えい・ろくすけ）さんが先月７月７日８３歳で死去されました。
永六輔さんは、東京・浅草の浄土真宗の寺に生まれで１０代後半、ＮＨＫラジオ｢日曜
娯楽版」に投稿を始めたのをきっかけに、テレビ番組で台本などを手がけ、放送作家と
して腕を磨かれました。作詞家としては、作曲家中村八大さんとのコンビで、大ヒット
した｢上を向いて歩こう」や｢こんにちは赤ちゃん」など有名です。永六輔さんの著書
{歌えばお経、話せば法話｢庭説法」}の中にこの｢こんにちは赤ちゃん」のエピソード
があります。作曲家中村八大さんのところに赤ちゃんが生まれて、赤ちゃんに会いに
いくというので、永六輔さんもいっしょについていって、看護師さんが｢赤ちゃんです
よ」ってガラス越しに連れてきた時に八大さんが、｢親父です」って挨拶したことに、
永六輔さん感動して｢こんにちは赤ちゃん〜お前の親父は俺だぞ」という歌を作った
のです。あとでこの曲が母親に歌詞が直されたのですが、オリジナル曲は
■こんにちは 赤ちゃん(中略）はじめまして ぼくが親父だ (以下略）■
永六輔さんは、｢《ぼくが親父だ》でも《わたしがママよ》でも呼びかけることは、
とっても大切なんですね。南無阿弥陀仏は｢いつも私が見守っていますよ」っていう、
阿弥陀さまの呼びかけだと親鸞聖人もおっしゃっている」と言われました。子どもが
親をよぶ前から親は、親父です、ママですと名のってよびかけるのです。ご開山親鸞
聖人の｢教行信証」の中に
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本願招喚（ほんがんしょうかん）の勅命（ちょくめい）なり
《註釈版聖典１７０ページ》
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という言葉があります。これは、阿弥陀さまが｢必ず救う、わたしにまかせよ」のよび
声となって今、ここで、私によびかけているのです。それは、どんなことがあっても
わが子を見捨てず、しあわせにせずにはおかない親心がはたらいて、いたり届いたなら
ば、子どもの口から自然と親をよぶ声が出てくるように阿弥陀さまは、煩悩具足の凡夫
の私をすでに見抜き慈悲のお心で救わずにおれないと働きづめに働いてくださるご恩に
気づかされて朋に感謝のお念仏を申させていただきながら日暮らし致しましょう。。