平成２８年 ７月
5月末、北海道の七飯町の山林で、行方不明になっていた小学２年生のやまとくんが
自衛隊の宿舎で無事発見されました。しつけ置き去りのことはありますが、無事だ
ったことは、本当に良かったと思います。やまとくんは山林の中で《ぼくは、どち
らに行ったら山林から抜け出せるのかわからない》やがて辺りが暗くなり見えなく
なり、寒さとお腹が空いて迷いと不安をかかえていたのです。しかしやまとくんは、
目の前の道と道しるべを信じてたよりにして、ひとつの道を歩き続けたのです。
そして、直接には見えなくても親の方から何とか無事に帰ってきてほしいと常に思
い続け呼び続けた親の願いが、やまとくんにまちがいなくはたらき至り届いていた
のです。はたして迷いの山林を抜け出し、親に会うことができました｡「迷いから
出る」ということで、ご開山親鸞聖人のご内室、恵信尼さまのお手紙に
■「生死出（しょうじい）づべき道」■ （『註釈版聖典』８１１ページ）と書か
れています。それは、生死の迷いから出ることのできる道なのです。親鸞聖人は、
９歳で得度し、２０年間比叡の山の中で修行されました。しかしそこに「生死出づ
べき道」を見出すことはできず、山を下りて六角堂百日間を経て、 法然上人 の説
くお念仏 の教えに出遇い「生死出づべき道」を見出されたのでした。親鸞聖人は
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◇親鸞におきては、ただ念仏して弥陀にたすけられまいらすべしと、◇
◇よきひと（法然）の仰せをかぶりて信じる・・・ ◇
◇ （歎異抄第２章『註釈版聖典』８３２ページ）◇
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とおっしゃっているように法然上人さまの言葉を通じて阿弥陀さまに出遇い、煩悩
の迷いの世界で苦悩している私をすでに見抜いて、だからこそ救わずにおれないと
今ここで私にはたらきづめにはたらいてくださった阿弥陀さまに導かれ生死出づべ
き道を歩ませて頂くご恩に朋に感謝のお念仏を申しながら日暮らし致しましょう。