平成２８年 ５月
北海道新幹線が開通しました。以前、コーヒーのCMで北島三郎さんが、通過する
新幹線に向かって
「はるばるきたぜ 函館へ さか巻く波を のりこえて あとはおうなと言いながら
うしろ姿で 泣いてた君をおもいだすたび逢いたくて・・・・・」というお馴染み
「函館の女」を歌っているシーンがありました。実は、この「函館の女」の作詞者で
ある星野哲朗さんには、エピソードがありまして、この曲の作詞をしていた時、
《おもいだすたび 逢いたくて》までは歌詞がすらすらと出来たのですが、そのあと
がなかなか出来ませんでした。あと１行できたら一段落というとき、辛抱できなく
てトイレに行きました。用を済ませたながら、《とても 我慢ができなかった》と
つぶやいたそうです。「そうだ、これだ。これをつかおう」となって、結びは、
《とても がまんが できなかったよ》となったんだそうです。
これは、生理現象から出てきた歌詞なのですが、この「生身の私」というのは、縁
にふれて 腹が立つし愚痴は出るのです。「とても我慢ができない私」なのです。
ご開山親鸞聖人も
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「凡夫というは無明煩悩我らが身にみちみちて欲も多くいかり
腹立ちそねみねたむ心多くひまなくして臨終の一念にいたるまで
とどまらず きえずたえず・・」（一念多念文意、浄土真宗註釈版６９３ページ）
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と言われました。腹を立てっぱなし愚痴を言いっぱなしの とてもがまんができな
い煩悩具足のこの私を見抜いて 阿弥陀さまは、だからこそ見捨てずにおけない、
救わずにおれないと大悲のお心で今ここで私に働いてくださっているのです。その
ご恩にお陰様でした、ありがとうございますと朋に感謝のお念仏を申しながら日暮
らしをさせていただきましょう