平成２８年 １０月
先ほどおつとめしました、正信偈で、お馴染みの ご開山親鸞聖人のご和讃に
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
仏光照曜最第一 光炎王仏となづけたり
三塗（さんず）の黒闇ひらくなり 大応供を帰命せよ
(浄土和讃 浄土真宗聖典註釈版 ５５８ページ)
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
とあります。阿弥陀さまの光は、第１に勝れているので、光炎王仏と名づけます。三塗の
黒闇をも破る阿弥陀さまをたのみましょうとあります。最近、東京の築地市場が移転する
予定の豊洲市場の建物の下に｢盛土」がない地下空間問題が話題になっています。
｢盛土｣は、建物を整え、土壌汚染を遮断して、まみれないようにするためです。しかしな
がらこの私は、つくりとつくる悪業煩悩盛り土にまみれ苦悩しているのです。この和讃に
｢三塗の黒闇」とありますが、｢三塗」は、火塗(かず＝身を焼かれる地獄)、刀塗(とうず＝
貪りの餓鬼)、血塗(けつず＝本能のみで血を流す畜生)の３つなのです。しかも塗りまみれ
ることですから、自らつくりとつくる煩悩汚染を地獄・餓鬼・畜生の三塗(＝三悪道)の
三層によって黒闇盛り土され、塗り重ねられ、かためられ、もはやがんじがらめになって
苦しみ悲しみ悩み涙している私なのです。たとえ諸仏の光明がどんなに素晴らしくとも、
まったく届かないのが、三塗の黒闇盛り土の私なのです。この三塗の世界まで届き、暗闇
を打ち破り、今ここで私に照らしてくださっているのが、ただひとつ、阿弥陀さまの
光炎王の光なのです。そのご恩に朋に感謝のお念仏を申しながら日暮らしいたしましょう。