平成２７年１１月
先日、まど みちおさんの特集がＮＨＫで放送されていました。
そのなかで、皆さんご存知の「ぞうさん」の歌詞についてのお話がありました。
《ぞうさん ぞうさん おはなが ながいのね そうよ かあさんも ながいのよ》
この歌詞は、ぞうの子は、鼻が長いねと悪口を言われた時に、しょげたり腹を立て
たりしないで、一番好きな母さんも長いのよと、誇りを持って答えたのです。それ
は、ぞうが自分自身に気づき、鼻が長いぞうとして生かされていることが、すばら
しいと思っているからです。まどさんは「この歌は、ぞうに生まれてうれしいぞう
の歌なんです。」と説明されました。それは、もちろん、ぞうばかりではありませ
ん。すべての存在が、みんなちがってみんないいとそれぞれに尊く、あるがままの
姿で命を輝かせて生きることが大切だという作品なのです。
「佛説阿弥陀経」というお経の中に
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青色には青光、黄色には黄光、赤色には赤光、白色には白光ありて、
微妙香潔(みみょうこうけつ)なり (註釈版１２２ページ)
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とあります。「青い色の花には青い光を放ち、黄色の花には黄色い光、赤い花には
赤い光、白い花には白い光を放ち、それらは、けだかいきよらかな香りを放ってい
るのです」 と続きます。阿弥陀さまは、腹を立てたり愚痴をこぼしたり怒ったり、
ねたんだりする「私」を見抜いてだからこそ救わずにおれない、煩悩に振り回され、
むなしく過ごさないで輝いておくれよと願いながら今ここで私に働きずめに働いて
くださっているのです。ぞうに生まれてうれしいぞうさんのように「この私が阿弥
陀さまに出遇えてうれしいぞうの私」と阿弥陀さまのご恩に朋に感謝のお念仏を申
しながら、日暮らしいたしましょう。