平成２５年１２月
阿弥陀さまによって一寸先は闇から光に
子どもたちに人気のあるアンパンマンの作者として知られる漫画家、やなせ たかしさんが、
今年１０月に亡くなりました。やなせさんは、５才の時、父親がなくなり、体も病気がちで
した。漫画家としては、遅咲きの５０代すぎて「アンパンマン」を生んだのです。これは、
子どもの頃、出かけた帰りに電車賃を落とし、道路を歩いて、どうしようもなく、へとへとに
なったとき、おじさんにあんパンをもらって元気になったというエピソードが下地にありまし
た。アンパンマンは、悪者を一方的にやっつけるヒーローではなくて、暗闇の中で、もがいた
り、苦しんだり、悩んだり、悲しんだりする者を見捨てずにおけない、アンパンマンみずから
顔をちぎってまで食べさせて元気にするというヒーローなのです。そのやなせさんの心の杖は、
「一寸先は闇」でなく「一寸先は光」という言葉でした。「光」というのは、「そうだ うれし
いんだ 生きる喜び・・・」とアンパンマンマーチにもあるように人を励ます言葉なのです。
同様に私の「闇」を救うのは、ただ阿弥陀さまの「光」だけなのです。ひとたび阿弥陀さまの
「み光」に出遇うとき、どんなに闇が深くとも たちまちにしてこの私の闇が破られ、明るさと
温かさが恵まれるのです。親鸞聖人のご和讃の中に
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無明の闇（むみょうのあん）を破するゆゑ 智慧光仏となづけたり
一切諸仏三乗衆 ともに嘆誉（たんよ）したまえり（浄土和讃）
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とありますように私の無明の闇を破ることができるのは阿弥陀さまの み光だけですと一切の
仏さまや菩薩さまが、ほめたたえているのです。阿弥陀さまによって一寸先が闇であったこの
私を見捨てずにおけない救わずにおれないと闇を打ち破り、光に転じられていくはたらきに朋
に感謝のお念仏を申させていただきながら日暮らしをいたしましょう。