平成２４年 ９月
私は生きているオバケ
夏になると風物詩のようにおばけのお話がでてきます。みなさん、ご存知の通り、オバケの特徴は「 足がない」「髪が長くて、うらめしやと言っている」「手を前に出している」というものです。この 「足がない」というのは、地に足がついてないで、ふらふらとさまよっているという姿です。「髪が長 くて、うらめしやと言っている」のは、後ろ髪を引かれる状態で、いつも過去にとらわれ「あんな事 をしなければ幸せであったのに うらめしい」といつも愚痴を言っている姿です。「手を前に出して いる」のは、欲しい欲しいといつも何かを欲しがっている姿です。そうすると本当にオバケはいるの かいないのかわかりませんが、地に足がついていないでふらふらとし、過去のことにとらわれ、愚痴 を言い、欲しがっている生きているおばけがここにいるのです。この私は生きているオバケなのです 。ご開山親鸞聖人は、
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凡夫というは、無明煩悩欲も多く怒り腹立ちそねみねたむ心多く
ひまなくして臨終の一念に至るまでとどまらずきえずたえず
（一念他念文意）
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夏だけでなくて、いつも地に足がつかないで、ふらふらとおばけのように人生をさまよい歩きなが ら、もえさかる火のように、臨終の一念までとどまらない消えないたえない煩悩をこの身いっぱい にかかえた「この私」を阿弥陀さまは、見抜いてだからこそ大悲のお心で救わずにおれないと働い てくださることにお陰様です有り難うございますと御恩報謝のお念仏を申させていただきながら朋 に日暮らしをさせていただきましょう。