平成２４年 ３月
鬼は外にも内にも私のなかにもいます
先月（２月）３日は、節分ということで、幼稚園では、豆まきをしました。園児のおかあさん、お とうさん方がこわい鬼役になり、子どもたちは、「鬼は外、福は内！」と大きな声をあげながら、 勢いよく鬼めがけて豆を投げていました。さて先生が「さあ、みんなのなかに鬼はいないかな？
おこりんぼオニ、泣き虫オニを追いだしましょうね」と言いました。そうです。鬼は外ばかりでは ありません。この家の中にもいるのです。そして、そう言っているこの私のなかにも鬼はいるので
す。日常あれがほしいこれがほしい人のものがほしいと言いはり、愚痴は言う、腹は立てる、その
姿は、まさに鬼そのものです。さて浄土真宗の教えを深
く信じ、お念仏を喜ばれた妙好人浅原才市さんは、
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うちのかかあの寝顔をみれば、地獄の鬼のそのまんま、
うちの家にや鬼が二匹おる。男鬼女鬼あさましやあさましや
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と言われました。夫婦喧嘩をして腹を立てた奥さんの寝顔がまさに鬼そのものに見えたのです。でも 浅原才市さんは、それで終わっていないのです。その奥さんを鬼にしていたもっとおそろしい男鬼の この私がいたことに仏の教えにであって気づかされたのです。ご開山親鸞聖人も
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さるべき業縁のもよおさば、いかなるふるまいもすべし
（歎異抄第４章）
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と申されたように私のなかにも縁によってなにをするかもわからないおそろしいあさましい鬼のよう な本性があることに気づかされ、そのことをすでに見抜かれた阿弥陀さまは、慈悲のお心で、だから こそ救わずにおれないと今ここで私のために働いて下さっているのです。そのご恩に朋に感謝のお念 仏を申しながら日暮らしをいたしましょう。