平成２４年 ２月
お参りすると腹が立たなくなる？
先日、ある住職さんが、こんな話をされていました。「住職さん、私先日、お寺にお参りしたせいで、
それから腹が立たないようになりました」すると「ほう、そうかい、それは、きっとまわりに余程良 い人ばかりいたからだったんでしょうね」すると「いやいや、まわりではなくて、私がお参りしたか ら、すっかり腹が立たないようになりました」「ほう、そうかい、それは、きっとまわりに余程良い 人ばかりいたからだったんでしょうね」「だから！私がお参りしたから、まったく腹が立たないよう になりました」「ほう、そうかい、それは、きっとまわりに余程良い人ばかりいたからだったんでし ょうね」「こら！住職！どうして わかってくれないんだ！」すると住職さんは「あんた、腹が立た ないと言っていたが、今腹が立っているじゃないのかい？」「え！いや、あの、それは・・」そうで す。縁にふれて、「この私」は、すぐに腹立ちの心がおきてくるのです。ご開山親鸞聖人は、
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凡夫というは無明煩悩我らが身にみちみちて欲も多くいかり腹立ちそねみねたむ心多く
ひまなくして臨終の一念にいたるまで とどまらず きえずたえず・・」（一念多念文意）
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と言われました。お参りしたら腹が立たなくなるのではなくて、逆に「さるべき業縁のもよおさば いかにふるまいもすべし」と縁にふれ、折に触れ、ますます貪り、腹を立て、愚痴のあさましい本性 の私に気づかせていただくのです。この私をすでに見抜いて救わずにおれないと慈悲のお心で今ここ で私に働きづめに働いてくださる阿弥陀さまに朋にご恩報謝のお念仏を申させていただきながら日暮 らしをさせていただきましょう。