平成２４年１２月
こころもことばもおよばない私が救われる
はや１２月師走を迎えました。何かと忙しい毎日です。 ただ忙しさのなかに自分を見失ってはい ないでしょうか。ご開山親鸞聖人の和讃に
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自力聖道の菩提心 こころもことばもおよばれず
常没流転の凡愚は いかでか発起せしむべき（正像末和讃）
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と自分で菩提心を起こして教えどおりに実践しようとしても思いも言葉もおよばないどころか煩悩 にまみれた生活をして、忙しさのなかに自分を見失って生死流転の迷い続けているどころか、迷い 続けていることすら気づかない愚かな凡夫の私なのです。教證寺もそうですが、大晦日には除夜の 鐘をつきます。除夜の鐘は、１０８つといって煩悩の数といわれます。除夜の鐘をついたからとい って煩悩を消すことのできない私ですが、煩悩をかかえた私に気づかせていただくことが出来るの です。こころもことばもおよばない煩悩熾盛の私を阿弥陀さまは、仏かねてしろしめしてとすでに 見抜いて私から おがんで助けてもらうのではなくて、阿弥陀さまのほうから救われてくれよとお がまれてくださっている、ひとり働きで、はたらいてくださっているのです。妙好人の有福の善太 郎さんが、こう言われています。
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おがんで助けてもらうじゃない おがまれてくださる如来さまに
助けられて参ること こちらから思うて助けてもらうじゃない
向こうから思われて思いをとられること
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と味わっていらっしゃいます。朋に阿弥陀さまのご恩に感謝のお念仏を申しながら日暮らしをいた しましょう。