平成２４年１１月
本当の私
ある本でアメリカの医学博士が、一般に人の体を化学原料価値で調べると次のように発表したのが
書かれていました。
水分 約３７リットル 脂肪 石鹸６個分 炭素 鉛筆９０００本分
硫黄 マッチ１０００本分 マグネシウム 薬１服分 鉄 クギ１本分
石灰 便所の汲み取り口にまく程度 硫酸 ノミ１匹を殺すのがやっとのもの
これらの原料を売ると全部でたったの５７０円だと書いてありました。人を化学的に分析してしまうと
５７０円の値打ちしかないのです。私たちは、着ている衣服だけでも５７０円を上回るのにその上、
高価な時計、指輪・ネックレス・イヤリングなどは、我が身の値段よりもはるか高いものを身に付けて
いるのです。「本当の私」ということで、ご開山親鸞聖人は
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「凡夫」というは、無明煩悩われらが身にみちみちて、欲もおおく
いかり、はらだち、そねみ、ねたむこころおおくひまなくして
臨終の一念にいたるまでとどまらずきえずたえず・・・（一念多念文意）
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とおっしゃっています。化学的には安い物質なのに、心は、欲も多い貪りと怒り腹立ちと愚痴でこの身
いっぱいに、臨終に至るまでとどまらない消えない絶えない煩悩でみちあふれている凡夫こそ本当の私
なのです。その私を阿弥陀さまは、《仏かねてしろしめして》とすでに見抜かれて、だからこそ見捨て
ずにおけないと大悲のお心でいつでもどこでも今ここにでも呼びかけ、はたらきかけくださっているの
です。その阿弥陀さまのおはたらきにご恩報謝のお念仏を申させていただきながら朋に日暮らしをさせ
ていただきましょう。