戻る 平成２４年 １月
阿弥陀さまと私の絆 （１月１日修正会法話含む）
昨年（平成２３年）３月、東日本大震災が起こり、多くの方が被災されました。被災者の皆さま、 改めて心からお見舞い申し上げます。昨年を表す漢字は「絆（きずな）」でした。まさに未曾有の 大震災の中で、家族の大切さ、ボランティアなどの支援ネットワークの大切さが理由としてあげら れました。阪神大震災の時の「震」から１７年目、「絆」の字を書かれた清水寺の森貫主は、「み んなが手をひとつに携えて復興していくことの願いを込めて書きました」と言われました。この私 も人生の上において、いつ無常の嵐が起きて崩れ落ちても不思議ではないのです。念仏詩人 木村 無相さんは、「無常ということは わたしに 生の尊さを しみじみしらして くれるのです」と 言われました。ご開山親鸞聖人は、言われました。
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
火宅無常の世界は、よろずのこと みなもって そらごと たわごと まことあることなきに
ただ念仏のみぞ まことにて おわします （歎異抄 後序）
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
《この世は燃えさかる家のようにたちまちに移り変わる世界であって、すべてはむなしくいつわり で、真実といえるものは何一つありません。その中にあって、ただ念仏だけが真実なのです》と言 われました。絆は、つながっていることであり、支えられていることであり、そして導かれること
であります。阿弥陀さまと私の絆は、あさましい煩悩具足の私をすでに見抜いて慈悲のお心で、決
して見捨てずにはおけない、必ず救うと、いつでもどこでもつながっている今ここにでもいらっしゃ って、支えてくださっている、導いてくださっている、そのために今現に はたらいてくださってい るのです。また、ご開山親鸞聖人は
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
弥陀の五劫思惟の願をよくよく案ずれば、ひとへに親鸞一人がためなり
（歎異抄 後序）
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
と申されました。親鸞聖人が言われたまさに この私一人のためにはたらいてくださる絆、阿弥陀さ まのご恩に朋に感謝のお念仏を申させて頂きながら今年も日暮らしをさせていただきましょう。