平成２３年 ９月
恐竜より恐ろしいのはこの私
先月(８月)末まで札幌で「地球最古の恐竜展」が開催されました。草食系ステゴサウルスの祖先ヒ サノサウルス、ティラノサウルス肉食系祖先エオドロマエウス他にワニ類の祖先など展示されました。 私は、トイザらス(玩具店)ぐらいしか知りませんが、難しい名前をすらすらと言い当てる恐竜が大好き な子どももたくさんいます。何といっても強力な牙、素早く走ったり、よろいのようなもので身を固め ていたりと、大きくて迫力があるからなのでしょう。それは「恐竜は、もう滅びて、ここにいない」と いう事実です。ＳＦ作家の筒井康隆さんは、「恐竜が現代に生きていれば、人間の次に恐ろしいと言わ れたはずの生物です。」と言っています。逆に言うと、あの大きくて迫力ある恐竜より恐ろしいのは、 人間ほかならぬ、この私なのです。ご開山親鸞聖人は、ご和讃に
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悪性さらにやめがたし こころは蛇蝎（じゃかつ＝へび、さそり）のごとくなり
修善（しゅぜん）も雑毒（ぞうどく）なるゆゑに 虚仮の行とぞなづけたる
（正像末和讃）
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とおっしゃっているようにこの私は、蛇やさそりと同じように煩悩の猛毒を無尽蔵に作り出し、すべて を抹殺する毒の煩悩をこの身いっぱいにかかえて縁にふれて、いつ恐竜よりも恐ろしいこの私になって もおかしくないのです。そういう私を阿弥陀さまは、《仏かねてしろしめして、煩悩具足の凡夫》と 自分自身もはや手のつけようがないほど、まさに恐竜より恐ろしいこの私をかねてよりお見抜きになっ て、だからこそ救わずにおれない、捨てておけないと今ここで私に働き詰めに働いてくださっているこ とに御恩報謝のお念仏を申させていただきながら日暮らしをさせていただきましょう。