平成２３年 ２月
弘誓（ぐぜい）の強縁（ごうえん）
お釈迦さまの説かれた「雑阿含経」にこういう話があります。目の見えない亀が１００年に一度だ け浮かび上がって、首をだすというのです。ある日、一匹の亀が大海に浮かんでいると、どこか らともなく流れてきた栴檀(せんだん)の朽ち木にであいました。
ところが、その朽ち木には真ん中に一つの穴があいていたのです。亀がその木の上に乗りますと 風が吹いて、ひっくりかえり仰向けになりましたが、目の前の朽ち木の穴をのぞいたら月の光を おがむことができたというのです。朽ち木にあうことも希なれば、ひっくりかえって穴から月の 光をおがむことも希の中の希です。同様に私が仏にであい仏の教えにであうことは、むずかしい こと
であることを説いた話なのです。ご開山親鸞聖人は
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ああ、弘誓の強縁、多生にも値（もうあ）いがたく、真実の浄信、億劫（おっこう）
にも獲がたし。たまたま行信を獲ば、遠く宿縁を慶べ。 《教行信証 総序》
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とおっしゃったように大いなる本願にであうことは、どれだけ時間をかけてもあえるものではな く、まことの信心は、どれだけ時を経ても得ることはできないなかに思いがけず真実の信を得さ せていただいたことは、まことに遠い過去世からの因縁であったと喜ばれたのであります。だか らこそ疑いためらわず阿弥陀さまのご本願にであってご本願のいわれをききましょうと聖人はす すめられているのです。今年はご本山（西本願寺）親鸞聖人７５０回大遠忌法要が営まれます。 朋に親鸞聖人の み跡を慕い、ご本願を信じてお念仏を申す日暮らしを致しましょう