平成２３年１１月
めざめてくれよと呼び続ける阿弥陀さま
深海魚 光に遠く住むものは ついに 眼(まなこ)を失うとあり
深海魚のように私たちも光の力を借りなければ光に遇わなければこの目は働かないで失ってしまう のです。仏さまの「光に遇う」というのは、「心の眼が開くこと」であり「今まで見えなかったも のが見えてくる」ということなのです。阿弥陀さまは、光となって、目覚めてくれよと呼び続けて くださっています。こんな話があります。
ある奥さんがご主人とケンカして、あげくにご主人が外へ出て行って、ますます腹を立てていたそ の時、小学生の娘さんが「ただいま」と言って学校から帰ってきました。するとこの奥さん、やり 場のない腹立たしさをこの娘さんに向けて、ふりむきもせず、返事もせずに座り込んだのです。娘
さんは、すぐに察知して、おそるおそるお母さんのそばに来てお母さんの顔を下からのぞきあげな
がら、たったひとこと「お母さん、いい顔してよ！」はっと我に返ったお母さん、娘の顔を見ると
なんと目に涙をいっぱいためていたのでした。
「ごめんね。お母さんが悪かった」娘さんが私の為に言ってくれた一言に気づかせていただいたので
す。それは娘さんの一言を通して腹を立て愚痴を言う鬼のような醜いこの私自身に出遇ったのです。 ご開山親鸞聖人は
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煩悩にまなこさへられて 摂取の光明見ざれども
大悲ものうきことなくて つねに我が身をてらすなり
（高僧和讃）
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煩悩に眼がおおわれて私の力で阿弥陀さまの救いの光をみることはできないけれども阿弥陀さまは飽 きることなく、めざめてくれよと呼び続ける阿弥陀さまは、この私一人がために 常に光となって照 らして下さっているのです。そのご恩に感謝のお念仏を申させていただきながら朋に日暮らしをさせ ていただきましょう。