平成２３年１０月
私は私のまんまに生きる（秋季彼岸会より）
野田佳彦新首相が民主党代表選の演説で、いのちの詩人相田みつをさんの作品の中から「どじょう 」の詩を引用されました。
「どじょうがさ 金魚のまねすることねんだよなあ」
これは、《どじょうは、どじょうとして本物で、金魚のまねをすると偽物になる》ということです。 どじょうが金魚になろうと思ってもなれません。たとえ良く見える金魚のまねをしたところで、偽物 、仮のもので中身がないのです。食物でたとえると、かわばっかりの らっきょうのようなものです
《ひとかわむけば つらの皮 ふたかわむけば うその皮 みかわむけば ばけの皮》なのです。
皮は、すぐにはがれてしまいます。どじょうは自分がどじょうであることに気づき、どじょうのまん まに生きる。私は私の本当の姿に気づき私のまんまに生きることなのです。ところで私の本当の姿と は何でしょうか？そのことをご開山親鸞聖人は
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□浄土真宗に帰すれども 真実の心は ありがたし □
□虚仮不実のわが身にて 清浄の心もさらになし （正像末和讃） □
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と言われていますように このどじょうの「私」というのは、浄土真宗の教えを聞いているけれども 真実の心はなく、いつも金魚のふりしたうそいつわりの 我が身であって 清浄の心もさらにないとい う、お恥ずかしいニセモノの私であります。阿弥陀さまの真実の教えに出遇うことによってどじょうが どじょうであることに気づき、どじょうのまんまに生きると同様に私が私であることに気づかされ「私 は私のまんまに生きる」ことなのです。阿弥陀さまは、そのことを仏かねてしろしめしてと ちゃんと はじめから煩悩の泥にまみれた虚仮不実のどじょうの私を見抜いて だからこそ 救わずにおれないと 阿弥陀さまのほうから慈悲のお心で今ここで私に願いをかけくださっている働きかけくださっているの です。その御恩に報恩感謝のお念仏を朋に申しながら日暮らしをさせていただきましょう。