平成２２年１２月
阿弥陀さまは いつでも私のそばに
昨年（平成２１年）１０月、北海道札幌の古本屋で本棚が倒れ、小中学生姉妹が下敷きになった事 故が起きました。中学生の姉は無事でしたが、小学生の妹は、意識不明となり今も昏睡状態が続 いています。姉は、最初、妹のいる病院に行けず「私が古本屋に行こうなんて言わなければこん なことにならなかったのに私のせいだ。私が事故に遭えばよかったんだ」と泣きじゃくったこと もありました。そのとき母親は「おかあさんにとって、２人とも同じ、大切なんだよ」と言って 涙を流しながら強く姉を抱きしめたのです。その言葉に姉は、気持ちが落ち着き、その後、
まだ目覚めぬ妹の病室に毎日訪れるようになり、妹への思いをノートにつづったのです。
《ずっと あなたのそばにいたいから》
ずっとそばで笑っていて 憎たらしくても大切な私の妹
大事な人に言ったらしいね「お姉ちゃんの妹で幸せ」って
その顔であの声で抱きついて笑顔で言ってほしかったな
お姉ちゃんも、あんたの姉で幸せです
毎日出歩き遊びケンカもしたけど楽しかったよ
音程はズレてるけどズレてない気持ちがあった
どうか妹よ その目が開いてその顔で笑うときを
いつまでも待っているから・・・・
ずっとあなたのそばにいたいから
見捨てるどころではなくて、大切と言った母、ずっとあなたのそばにと言った姉、同様に阿弥陀さ まは大切なお目当てといつでも私のそばにいらっしゃるのです。ご開山親鸞聖人は、
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如来の作願をたづぬれば 苦悩の有情を捨てずして
回向を主としたまひて 大悲心をば成就せり （正像末和讃）
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と申されているように阿弥陀さまの願いは、苦悩の私を見捨てずして、いつでもそばにいるよ救わ ずにおれない大悲のお心を成就して働き詰めに働きくださっているのです。私一人が為に働いてく ださるご恩に感謝のお念仏を朋に申しながら日暮らしをいたしましょう。