平成２０年４月
生死の苦海ほとりなし・・・・
2月19日未明、千葉県南房総沖の海上で、海上自衛隊のイージス艦「あたご」と、マグロはえ
縄漁船「清徳丸」が衝突し漁船は真っ二つに割れ沈没しました。「清徳丸」に乗っていた父
吉清(きちせい)治夫さんと長男哲大(てつひろ)さん親子が海の中に沈み、いまだ行方不明のまま
捜査もほぼ打ちきられるという本当に痛ましい事故が起きました。原因は、ともかくとして、
船に乗っても いつ事故にあってこの身が沈没するかわからないのであります。同様にこの人生
も苦しんだり悩んだり涙する迷いの世界に沈みっぱなしの私なのです。ご開山親鸞聖人は、
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□生死の苦海ほとりなし 久しく沈める我等をば □
□弥陀弘誓のふねのみぞ 乗せて必ず渡しける
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□ （高僧和讃） □
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と申されました。自ら作る悪業煩悩の船にぶつかって生死（しょうじ）という迷いの世界に沈み
っぱなしの私を阿弥陀さまは、すでに見抜かれてだからこそ どこまでも沈んでいく私を捨てず
におけない救わずにおれないと「弥陀弘誓」というご本願のふねをつくり、ちょうど、どんなに
小さい石でも 水の中に入れたら沈んでしまいますが、どんなに大きい石であっても船に乗せた
ら重い石は軽くなるのではなくて重いままで沈まずに間違いなく海を渡ることができるように
阿弥陀さまは、この罪業の重い私を引き受け、阿弥陀さまの御手回しで
仏法聴聞の願船に乗せ
て彼岸浄土の世界に間違いなく渡らせて頂くことができるのです。そのご恩に感謝のお念仏を申
しながら日暮をさせていただきましょう。