平成１８年７月
《薬あればとて、毒を好むべからず》そうは言っても
今は、日本のどこに行ってもあるというぐらいコンビニエンストアーがありますね。私もコンビニ
エンストアーを時々利用します。食べ物、飲み物もそうですが、薬品を売っているコンビニも多く
なりました。先日、コンビニに買い物に行った時、レジで私の前にいたお客さんが、買い物カゴに
ビール、お酒が何本か入っていました。さらには、二日酔いの薬、肝臓の薬みたいなものまで
いっしょに買っていました。たしかに「備えあれば憂いなし」のように飲み過ぎた時のために備え
て薬もということなのでしょうが、はたしてどうでしょうか。
ご開山親鸞聖人は、お手紙に
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□「薬あればとて、毒を好むべからず」（歎異抄第１３章）□
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と「いくら薬があるからといって好きこのんで毒をのむべきものではありません」とおっしゃいま
した。同様にこの私を救わずにおれない阿弥陀さまのご本願があるからといって、悪いことをして
いいはずがありません。しかしながらそうは言っても
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◇悪性さらに やめがたし こころは蛇蝎〔じゃかつ〕のごとくなり・・ ◇
◇ （正像末和讃）
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とありますようにこの「私」をかえりみると たとえていうならば、同じ水を飲みながら 牛は牛乳
をつくるのに 蛇（へび）や蝎（さそり）は毒をつくりだしているのです。同様に阿弥陀さまからみ
た この「私」も牛どころか蛇蝎のように毒を好み煩悩の毒をつくりだし、しかも止められない愚か
さに気づかせていただくのです。
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□〜煩悩われらが身にみちみちて、欲も多く怒り腹立ちそねみねたむ心多くひまなくして□
□ 臨終の一念に至までとどまらずきえずたえずと・・・ （一念多念文意）
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我が身いっぱいに毒の煩悩をかかえた「私」を阿弥陀さまは仏かねてしろしめしてと見抜いてだから
こそ救わずにおれないと大悲の御心で、今ここで 働き詰めに働いて下さっているご恩におかげさま
ですと感謝のお念仏を申させて頂きましょう。