平成１７年２月
声の助っ人 南无阿弥陀仏
近頃、こちらのほうは、寒さも厳しくてストーブを焚く毎日ですが、皆さんのと
ころは、如何でしょうか？さて、新聞に「声の助っ人（すけっと）」という話題
が載っていました。私のお寺の茶の間にあるストーブもそうですが、ストーブの
ボタンを押すと「点火します」そしてまたボタンを押すと「消火します」という
女性の声が聞こえてくるんですね。ストーブばかりではなくて、時計でもそうで
すね。「午後○○時○○分です」とボタンを押すと知らせてくれます。体温計に
してもそうですし、洗濯機とか炊飯器等々、声とか音などで知らせてくれるわけ
です。もちろん、これは、目の不自由な方でも安心して使いやすいようになって
いるのはもちろんのことですが、目の見える人にとっても やはりその「点火し
ます」「消火します」というたった一声「ひとこえ」を聞いて「間違いない」と
安心するのです。
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◇親鸞におきては、ただ念仏して弥陀にたすけられまいらすべしと、◇
◇よきひと（法然）の仰せをかぶりて信じる・・・（歎異抄第２章）◇
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とありますように よきひと法然上人さまの言葉を通して、ご開山親鸞聖人は、
他にどのような行も満足に行うことのできない地獄以外に住み家のない煩悩具足
の「私」の口からただ出てくる お念仏の中にすでに「私一人」をお目当てとし
て、だからこそ救わずにおれない願いのありったけを阿弥陀さまから「南无阿弥
陀仏」の一声（ひとこえ）に凝縮して今ここで私にお呼びかけ下さっている至り
届けて下さっている有り難さを自覚されたのです。その南无阿弥陀仏の一声の
お念仏を喜ばれた妙好人浅原
才市さんのうたの中に
「わしが 念仏 となえるんじゃない 念仏のほうから わしの心にあたる・・」
とありますように 「私」にとって、それが深い悲しみであろうとも、深い喜び
であろうとも 私が念仏となえるのではなかった 念仏のほうから私の心の底に
あたる声の助っ人 南无阿弥陀仏（なもあみだぶつ）の一声を聞いて安心して御
恩報謝のお念仏をただただ申させて頂きながら日暮らしをさせて頂きましょう。