平成１６年６月

　　阿弥陀さまの本願「間違いないっ！」

　　　　最近、お笑い芸人の長井秀和さんが「間違いないッ！」という言葉が使われて巷で流行っています。
　　　　これは、話しの内容を展開して必ず「間違いないッ！」と最後に締めくくり、言い方のリズム感の
　　　　良さも相成っているから使われるのでしょうね。逆に言うと、ご開山親鸞聖人の
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　　　　　□「火宅無常の世界はよろずのこと　みなもってそらごとたはごとまことある□
　　　　　□　ことなきに・・・」　　　　　　　　　　　　　（歎異抄後序）　　　　□
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　　　　という言葉のとおり、この世は、燃えさかる家のように　たちまちに移り変わる世界であって、す
　　　　べてはむなしくいつわりで、真実といえるものは何一つない間違いだらけの世界だからこそ、「間
　　　　違いない」ものに「私」は、出遇いたいのです。こういう話しがあります。妙好人である讃岐の
　　　　庄松さんのところに　お同行が訪ねて行って「庄松さん、あなたは、阿弥陀さまの　ご本願を間違
　　　　いないと信じて、喜んでお念仏申されていますが、私は、ひょっとして間違いがあるんじゃないか
　　　　と心配で喜べないのです・・・」と言われました。すると庄松さんは「あなたには、《ひょっとして》
　　　　という《ねずみ》が住んでいるようですね。ねずみには、猫が良い」と言っているところに　隣の家
　　　　の　猫がやってきました。庄松さんは「これは隣の猫で、雄猫ですが、最近お腹が出てきたので、
　　　　ひょっとして、子を生むんじゃないだろうか」と言いました。すると、お同行は、「雄猫が子を生む
　　　　ものか、そんなばかげたことを言わないで下さいよ」「でも、ひょっとして・・」「庄松さん、もう
　　　　そんな猫の話は、やめて、ご本願の話をして下さいよ」と言うと「これ、お同行何をおっしゃいます
　　　　か。雄猫が子を生まないと言うことを、あなたは誰から聞いて信じたのですか？神や仏からではない
　　　　でしょう。親、祖父母、兄弟、学校の先生とかに教えてもらったんでしょう。これらは、皆凡夫です。
　　　　凡夫の言葉でさえ、深く信じているのに、なぜ、阿弥陀さまの本願が信じられないのですか。阿弥陀
　　　　さまの本願を人間どうしの約束より軽く聞いているから、いつまでたっても信じられないのです。
　　　　阿弥陀さまの本願には間違いはないのです」と強く言われました。それを聞いたお同行は、思わず涙
　　　　を流しながらお念仏を申されたことでした。ともに間違いない阿弥陀さまのご本願を聞信し、お念仏を
　　　　申させていただきましょう。

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