平成１６年１２月
揺れる新潟地震、揺れる私自身
今年（平成１６年）は、台風上陸、新潟中越地震で多くの被災者がでました。特に新潟中越
地震では、今（平成１６年１１月現在）も余儀なく避難所生活されていらっしゃる方もいます。
たくさんの被災者の方に心からお見舞い申し上げます。さて、ある時、テレビを見て、地震被
災者にインタビューしている まさにその瞬間、大きな
余震が起こりました。大きく揺れて母
親が「あぶない！」という声が子どもに聞こえた時にはすでに 我が子どものところに走って
いき子どもをつかまえていました。子どもたちは、そんまんまで親に抱きかかえられて安心の
顔をしていました。
これは、地震が起きて子どもが助けて とか すがるとかいうことは問題
ではなくて、母親の「あぶない」という真実の声が届いた時、子どもは、そのまんまで助かっ
てしまうのです。「あぶない」という声は、四字の短い言葉でありますが、その中に真実の
ありったけが込められているのです。子どもの方から、どうぞ助けて下さいと頼んでからだっ
たら、その前に
何かにぶつかって、子どもは間に合わずケガをするかもしれません。
頼まな
ければ助けないということではなくて助けずにおかない、救わずにおれない、放っておけない、
捨てておけない、じっとしておれない親心が働くのです。
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□十方微塵世界の 念仏の衆生をみそなわし 摂取してすてざれば 阿弥陀となづけたてまつる□
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（浄土和讃）
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揺れる新潟地震と同様に 阿弥陀さまは、あさましい無明煩悩に揺れる私自身を「仏かねてしろ
しめして」と見抜かれて、だからこそ救わずにおれないと願いのありったけを南无阿弥陀仏の六
字に凝縮して、阿弥陀さまのほうから、今ここで
私一人のためにお呼びかけくださっている働い
てくださっているのです。その御恩報謝のお念仏を申させて頂くことであります。