平成１5年８月
「電気のはたらき 阿弥陀さまのはたらき」
札幌の門徒さんにお参りに行くのに札幌地下鉄を利用した時のことです。電車内であるおじい
ちゃんとお孫さんが私の横に座りお話をしていたのが聞こえてきました。
「おじいちゃん、ねえ、どうして、電車は走るの？」って。するとおじいちゃんは、「それはな、
電気の力で走るんだよ」すると孫さんは「電気の力ってなあに？電気の力って目に見えるの？」
と聞きました。おじいちゃんは、お孫さんに答えました。「りょうたは、走ることできるだろ
う」「うん、ぼく早く走れるよ」「そう、走るときは、足が走っているだろう。りょうたのよ
うにな、早く走るときには力がいる。もし力がない人だったら、あまりはやく走れないよね。
りょうたは、その力が見えるかい？走る足は見えるけれど足を動かしている力は見えないだろ
う。電車もそれと同じようにね、見えないけれど電気の力が、間違いなくはたらいているから
電車が走っているんだよ」と言いました。それを聞いていたお孫さんは「ふ〜ん、そうか〜」
ってわかったようなわからないような返事をしていました。なにげない会話でしたが、フッと
気づかせて頂きました。同様に阿弥陀（あみだ）さまという仏さまも 「私」の目では直接に
は見ることはできません。しかしながら ご開山親鸞聖人は
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☆他力といふは、如来の本願力なり（教行信証行巻）☆
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とおっしゃっています。他力とは、他の人をあてにすることではなくて、阿弥陀さまの おはた
らきなのです。阿弥陀さまは、いつでもどこでも今ここにでも いらっしゃって「仏かねてしろ
しめして」（歎異抄９章）と煩悩具足の「私」を最初からお見抜きになって、その「私」をお目
当てにだからこそ救わずにおれないと阿弥陀さまのほうから、慈悲のお心で南无阿弥陀仏の六字
に願いのありったけを込めてこの「私」一人の為に間違いなくはたらき、至り届けてくださって
いるのです。そのお心に気づかされた時におかげさまでした、有り難うございますとご恩報謝の
お念仏を申させて頂くのです。ナモアミダブツ ナモアミダブツ・・・・。