平成１5年１２月
阿弥陀さまからマニフェスト念仏
先月、衆議院選挙がありました。この選挙は「マニフェスト」選挙と盛んに呼ばれていましたが、
「マニフェスト」というのは、英語ではmanifest＝明らかに示すの意で、どういうことかと言うと
具体的な選挙公約のことです。各政党ごとに冊子などに書かれている実現可能な具体的アクショ
ンプランで、「必ず実行する」ということです。もし実行しなかったら、各政党は、政界には二
度と立たないという程の決意なのですが、今回のマニフェスト選挙は、私にとっては、あまりよ
くわかりませんでした。
ただ以前からマニフェスト選挙を行っている外国の特にイギリスでは、「このマニフェスト（冊子）
がないと始まらない」とまで言われ、そのマニフェストひとつで、公約をいつまでに実行する、
どうやってやる、財政的裏付け、その施策を進めるために別の施策は廃止か縮小するのかなどが、
ただマニフェストひとつにすべて網羅されているのです。有権者は、その中のひとつのマニフェ
ストのみを信じ、あてたよりとして投票するのです。
同様に阿弥陀さまは、法蔵菩薩の時から、修行を重ねて、どの道も進めないすぐ腹を立てたり、
愚痴をこぼしたり、怒ったり、そねみ、ねたむ極重悪人の凡夫である私をすでに見抜いて、だか
らこそ私一人の為に「救わずにおれない」「間違いなく救う」ということを必ず実行する阿弥陀
さまのひとりばたらきで、つくられた本願マニフェスト。実行しなければ決して仏になりません
とまで言い切られた願いと誓いのありったけを あれもこれもではなくてただ「ナモアミダブツ」
と阿弥陀さまからマニフェストを念仏一つに凝縮して今・ここで・私に慈悲のお心で至り届けて
下さっているのです。そのお救いを私たちにお示しくださったのが、ご開山親鸞聖人なのです。
親鸞聖人の ご和讃の中に
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◇如来の作願をたづぬれば、苦悩の有情を捨てずして 回向を首としたまひて 大悲心をば成就せり◇
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とありますように阿弥陀さまが、ご本願を おこされたもともとをたずねますと、すべての苦悩し
ている私たちを捨てずにおれない、救わずにおれないと阿弥陀さまのほうから、慈悲のお心で成就
されて働き詰めに働いてくださって この「私」に届けてくださったマニフェスト念仏「ナモアミ
ダブツ」。おかげさまです、ありがとうございますと、ただただご恩報謝のお念仏を申させていた
だくばかりです。