平成１４年７月
私は酔いのフーリガン阿弥陀様は目覚めのホンガン（本願）
ワールドカップサッカーで日本はベスト１６と健闘しました。さて、そのサッカーで開催前から
「フーリガンは怖い」と報道されていました。御存知のとおり「フーリガン」というのは、自分の
地元のチームを応援し、酒を飲んで酔いが回って騒ぐそしてついには、他のチームサポーターと
衝突事件を起こしたりする、つまり暴徒化したファンというのが「フーリガン」ということです。
お酒で言いますと
ゲームでエキサイトするのも手伝って、ますますお酒を飲み、酔っていながら
「おれは酔ってないぞ」これは危ないですね。「もう適量だから、やめときます」は、酔ってはいて
も酔っている「私」を知っている、気づいているのです。しかしそれを酔っていないと主張したら
相当酔っているのです。酔っている「私」に気づかないのです。「おれは、いくら酔っていても言
ったことはちゃんと覚えている。言ったことは間違いない。責任をもつ」と言っておきながら次の
日は、ケロッと忘れているんです。度を越すとゲームに酔い、酒に酔い、あげくのはては暴徒化し
て何をするかわからないフーリガンなのです。
しかしそれよりも もっと恐ろしいのは、※歎異抄（たんにしょう）に
「さるべき業縁のもよほさば、いかなるふるまひもすべし・・・・・」と親鸞聖人はおっしゃってい
ますように「私自身」の煩悩のお酒に酔っていながら酔っていないと言い張り、縁に触れれば、こ
の人生いつどこでフーリガンのように暴徒化の振る舞いをするかわからない「私」なのです。まさ
に「私こそ酔いのフーリガン」なのです。阿弥陀さまのご本願は、酔っている「私」、酔っていなが
ら酔っていない、逆にだいじょうぶだとさえ思い込んでいる「私」をすでに見抜いて、この「私」
の為に「目覚めてくれよ」と働いて下さるのです。阿弥陀さまのほうからこの「私」に目覚めてく
れよ、気づいてくれよといつでもどこでもいまここにでも働きづめに働いてくださっているのが、
阿弥陀さまの「目覚めのご本願」なのです。
※歎異抄・・・親鸞聖人の門弟である唯円房（ゆいえんぼう）が、おそらく著したもので、前半と後半に分か
れ、初めの十条は、唯円房が直接、親鸞聖人から聞いた法語を集めたものです。このご文は、
第１３章に書かれています。