平成１４年１０月
「私の人生ヒートアイランド、お浄土はピュアーランド」
最近「ヒートアイランド」という言葉を聞きます。特に都会では緑が少なくなり、夏は冷房装置、
冬は暖房装置を使います。また道路では無数の自動車が廃棄ガスをばらまきながら走ります。
するとそこから出される熱はたいへんなものになります。それによって気温がかなり上がるのです。
このように熱に包まれた島の状態になるので、ヒートアイランド（熱の島）現象といいます。さらに
進行すると大気汚染も起こし、私たちにも深刻な影響を及ぼしています。
宗祖親鸞聖人は、
《煩悩具足の凡夫、火宅無常の世界》（歎異抄［たんにしょう］後序）
（私たちは、あらゆる煩悩をそなえた凡夫であり、この世は燃えさかる家のように たちまちに移り
変わる世界なのです・・・）と申されました。
まさしく煩悩の火によって今現在「私」の人生ヒートアイランドの真っただ中にいるのではないで
しょうか？
《火の車、作る大工は なけれども 己が作りて己が乗り行く》
ひとたび、枯れ草の野に火がつくと四方にひろがって 収拾がつかなくなるように いかりの火は
周囲にひろがるのです。ヒートアイランドが進行すると周囲への大気汚染も起こしてしまうように
いかりの火は自分自身をやき、人までもやいていくのです。そのヒートアイランドの苦悩の人生を
過ごしている「私」が、今ここで阿弥陀さまの救わずにおれないご本願を信じ、お念仏を申させて
いただく中に煩悩の火は、消すことはできませんが、ヒートアイランドが、クールアイランドにな
っていき、阿弥陀さまのお働きによって間違いなくピュアーランド（お浄土）に生まれさせていた
だく身にしていただくのです。朋にお念仏申させていただきましょう。