平成13年12月

アフガン難民、「私」は人生の難民

                             

世界の10大ニュースになる今年(平成13年)9月のアメリカ同時多発テロが

起きて以来、現在も毎日のようにアフガンのニュースが伝えられます。ニュース

を通じてアフガン自体には、もとから多くの難民の方がいることを知らされまし

た。さらにその報復攻撃から逃れるために新たな難民が増え続けています。

アフガン難民の方は、食料不足と これから寒さ厳しい冬を迎えてはたして今日

でさえも生きていくことができるかの危機に直面しています。私たちは、21世

紀の現代、たしかに物は豊かになりました。しかし「私」は、この人生を正しく

歩んでいるでしょうか?むしろ煩悩に惑わされてあれがほしいとむさぼり求め、

時には腹を立ててみたり愚痴を言ってみたりして「私」自身を見失い、ふらふら

とさまよい歩く流れに流された人生を送ってはいないでしょうか。煩悩に惑わさ

れ、ふらふらとさまよい歩く流れに流された「私」は、それこそ人生の難民です。

「正しく歩む」ということで、例えていうならば、夏の季節によく目隠しをして

「すいかわり」をする光景を思い浮かべて下さい。自分では、正しいと思って歩

いていても右側すぎたり左側すぎたりまっすぐにすいかのほうまで、歩いていく

ことができません。

その時、まわりの方が、「もうちょっと右、いや左、前、前」というように声を

かけます。目隠しした人は、その声を聞き、その声を信じ、その声に導かれて、

まっすぐにまちがいなくすいかの方まで歩いていけるのです。同様にこの「私」

も迷いの人生を迷いとも思わず、逆に正しいと思い込み、欲といかりと腹立ちの

心をますます膨らませて、目隠しをしているように この人生をふらふらと さ

まよい歩いています。その「私」を救わずにおれないと捨てずにはおれないと阿

弥陀さまの方から今・ここで・私にお呼びかけ下さっている、働きくださってい

るのです。その阿弥陀さまからのお呼び声を聞いてそのお呼び声を信じてたとえ

何が起ころうとも安心して「南無阿弥陀仏」とお念仏申しながら日暮らしをさせ

ていただくところに人生の難民の「私」が、この人生を強く明るく生き抜かせて

いただくのです。今年もあと、僅かとなりました。皆さんとともに阿弥陀さまへ

のご恩報謝のお念仏を申しながら新しい年を迎えましょう。合掌

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