平成13年10月
リーダーのたったひと言・阿弥陀さまのたった六字

シドニーオリンピックで女子のソフトボールが大活躍しました。とくに世界最強の
アメリカとの対戦では、何度もピンチを迎えた日本代表に、
宇津木妙子監督はたっ
たひと言の
同じ言葉を繰り返されたそうです。「絶対大丈夫だから思いっきり攻め
な」
という 言葉に このリーダーの思いも願いも人生もすべて凝縮されているので
す。このたったひと言の言葉が選手たちを勝利に導きました。私は、このことで、
南極越冬隊の話を思い出しました。ほとんどの隊員に日本の家族から写真入りの手
紙や品物等の慰問袋が送られてくる中で、ある一人の若い隊員のもとにも一通の手
紙が送られ、さっそくその手紙の封を開けて見ると思わず涙を流しました。それを
見た他の隊員が「おまえ、何か悪い知らせでもあったのか?」と聞くと この隊員
は「いえ・・その反対です」と言ってその手紙を見せました。他の隊員は、その手
紙を見ますとたったひと言しか書かれていませんでした。
「あ な た」これは、もちろん奥さんからの手紙でした。
あれもあったこれもあったと他の隊員には、長々と書く手紙の中でこの隊員には、
たったひと言、三文字の言葉ですが、その中に この隊員への思いと願いのありっ
たけが凝縮して込められているのです。このひと言が隊員の心の奥底まで間違いな
く至り届いて涙するのでした。同様に阿弥陀さまは、「おまえを捨てずにはおれな
い」と無限の願いのありったけを
「南無阿弥陀仏」(なもあみだぶつ)とたった六
字の中
に凝縮して仕上げて下さって阿弥陀さまから今ここで私に至り届けて下さっ
ているのです。そのご恩に気づかされてただただ感謝のお念仏を申しましょう。

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