平成１３年１月
「私にとって本当によい年って？」
年末年始になりますと よい年・悪い年ということをよく言います。
例えば「来年は、よい年でありますように・・」とか、いい年をむか
えてくださいとかですね。私もけっこう使います。
除夜の鐘をついた後でテレビを見てましたら、今年も 大勢のかたが、
お寺や神社にお参りする様子が映っていました。インタビューされま
すと「受験合格を願って」とか「いつまでも健康を願っていました」
と言われていました。
「私」にとっていい年とは、どんなことなのでしょうか。無病息災、
商売繁盛、受験合格等々・・・・
逆に悪い年とは、病気になったり、金銭的に恵まれなかったり、商売
が繁盛しなかったりということでしょうか？
結局、年の「よい」「わるい」は、「私」の欲望や願いがよく結びつ
くか悪く結びつくかどうかということです。これはまったく「私」さ
えよければという自己中心的（通称自己虫と言われています）そのも
のですね。そういうお恥ずかしい「私」が、じっくりと我が身をふり
かえり、私にとって何が大切なことなのかを聞かせて頂くのが、浄土
真宗のお念仏の み教えに出遇うことだと思います。
たとえ、何が起きようとも、日がよかろうが悪かろうが、何がつこう
が、たたろうが「どんなときでも私はここにいます。だから安心して
お念仏称えながら力いっぱい生きなさいよ」とお念仏は私が称える声
ですが、それはそのまま阿弥陀さまが私に呼びかける声なんですね。
「自己虫」である「私」ですけれども、そのまんまで浄土真宗の
み教えに出遇い、お念仏申させて頂くお正月今日１日をよろこばせて
いただきましょう。それが本当に「私」にとってよい年なのですから・・。
今年もどうぞよろしくお願い致します。